Little Bit of Soap


【アルフ第14話】
ぼくの書いたシナリオ
   
CHARACTERS

おばあちゃん
ドロシー(Dr)
アルフ(A)
ウィリー(W)
ケイト(K)
リン(L)
ブライアン(B)
リビング アルフが玄関のドアに「さよならおばあちゃん」と書いた板を釘で打ち付けている
W
(カナヅチの音を聞いてリビングに駆けつける)どうして板切れを玄関に打ち付けてるんだ?
A
下に落っこちないようによ 引力の法則知らないの?

引力の法則知らないの?
W
カナヅチをよこせ
A
手伝ってくれんのはありがたいんだけど もう終わった
W
…(アルフからカナヅチを取り上げる)
リビングにリンとブライアンがやってくる
L
おはようパパ
A
僕が書いた詩 覚えた?
L
ええ 覚えたけど…
A
頭いいじゃん じゃ言って
L B
さよならおばあちゃん サヨナラサヨナラサヨナラ さよならおばあちゃん サヨナラサヨナラサヨナラ
A
うん 「サヨナラ」が少なかったかな
キッチンからリビングにケイトが袋を抱えてやってくる(袋に「さよなら」と書いてある)
K
アルフ ねえ この袋の中身なあに?
A
旅行用セット 入れといたの たいしたもんじゃないけど旅行に出るのに必要な日用品 なくてもいいけど ありゃあ便利なもんよ
K
雑誌でしょ ティッシュでしょ ああ 酔い止めの薬と 胃腸薬と…濡れナプキン?
A
忘れ物して戻られたら かなわないじゃない
W
ナプキンは何のためだ?
A
飛行機が揺れて 気分が悪くなったときに使うじゃないの 「あって助かる濡れナプキン」てね

…言ってみただけ
リビングにドロシーがやってくる
Dr
みんな聞いて 旅行に行けなくなったの
A
そりゃないよ!
W
アルフ 失礼じゃないか (ドロシーの方を向く)…どうしてです
Dr
エステルがまたワガママ言い出したの もうしばらく娘の家にいることにしたって これじゃあ二人で旅行するなんてもう無理だわ
本当に申し訳ないけれど 私もうしばらくこの家に泊めてもらうわ
A
通りの外れにいいホテルがあるけどな …言ってみただけ
OPENING
リビング アルフがポップコーンを食べながらテレビを見ている
TV
マーゴの話では油田を爆破した犯人は誰かまだわからないそうよ
リビングにドロシーがやってきてテレビのチャンネルを変える
A
ちょっと! まだ終わってないのよ
Dr
ホームドラマの方がずっといいわ
A
なんだよ 「家族の絆」じゃん こんなドラマ勘弁してよ オレねむくなっちゃうよ
Dr
黙ってってば 続き見たいんだから
A
見なくても一緒だって 一年前とおんなじことの繰返しだもん ケンカしちゃ仲直りの繰返しだ
Dr
しーっ
TV
母「ブッチ あなたがとったあの勇気ある態度 私たちとても誇りに思ってるわ」
TV
息子「誰だって ああするよママ」
A
臭い芝居
TV
父「確かにそうかもしれん だがお前は僕はパパたちの息子だと大声で言った あの声は今でも私の耳に残ってる」
TV
母「ちょうど次の日に アリソンを身ごもったのよ」
TV
息子「変だなそれは …二年前でしょ?」
A
たーいくつ!(ドロシーからリモコンを取り上げる)
Dr
何するのよ 返してちょうだい(アルフからリモコンを取り返す)
A
こんなドラマのどこが面白いの?
Dr
このドラマには 愛と思いやりと暖かさと人間のやさしさがあるのよ
A
それであんたいつハワイに行くの?
Dr
じきよ じきに行くわ
A
先週行くはずだったじゃない

だいたい本が悪いね
Dr
いつでも出かけられるように用意はしていあるわ そのときがきたら出て行くわ
A
ねえ やさしさがあるなら出てってよ
Dr
あなたには「家族の絆」のよさなんかわかるはずないのよ いい?このドラマはね お互いを思いやる愛がテーマなの
A
だから話が進まなくて退屈しちまうんだよ だいたい本が悪いね これならラッキーでも書けるぜ いやオレの方が上手だな
Dr
あなたが? そんな暇ないじゃない いつだって何か食べてるかテレビ見てるかどっちかのくせに
A
(ドロシーからリモコンを取り上げる)
Dr
アルフ 返しなさい
A
なによ サスペンス劇場見せてよ
リビングにケイトがやってくる
K
あらあら またチャンネル争いしてるのね?
Dr
聞いてケイト 私が「家族の絆」を楽しみにしてるのは知ってるでしょ なのに月から来たモップが邪魔すんのよ
A
月から来たモップだ? そいじゃあんた何よ 金髪のカバ!
K
アルフ ママはとっても大事なお客様なのよ 言う通りにしてあげなさい
Dr
どうもありがとう ケイト
A
お客? お客ってのはすぐに帰る人のことを言うんじゃないの
K
アルフ
A
ケイト おばあちゃんにそのへんハッキリ言っといてよ
K
ママはね 出て行きたくなるまで好きなだけこの家にいていいの …一生いたっていいんだから
あそうそうママ スーツケースしまっといていいかしら 押入れに































そうなってしまいたいわ
Dr
ええ あなたの好きなようにして
A
一緒にしまった方がいいんじゃない?
Dr
(アルフにちょっかいを出す)
リビングにアルフとウィリーがいる そこに氷袋を頭にあてたながらケイトがやってくる
W
外に出てみないか
K
そうね パリへ行きたい
W
母さんのこと いちいち気にすんなよ
K
今どこに行ってると思う? デパートへわざわざタイルクリーナーを買いに行くって出て行ったわ
A
「わざわざタイルクリーナー…」(メモを取る)
W
あと2,3週間の辛抱さ
K
そうね 最初は2,3日 それから一週間 そして今度はあと2週間
W
エステルが足をくじいたんじゃ仕方ないだろう
K
んもう いい歳してスケートボードに乗って遊んだりするからよ どうして彼女を長々と待ってるの 子供じゃないのよ 独りで飛行機ぐらい乗れるでしょ
A
「子供じゃないの」と(メモを取る)
ケイトが氷嚢を顔に押し付ける
W
そんなに氷嚢を押し付けると 息ができなくなるぞ
K
そうなってしまいたいわ
W
きみから少し説得してみちゃどうだ
A
オレにまかせてよ 椅子に縛ってやる
W
きみは黙ってるの
A
「きみは黙ってるの」か(メモを取る)
K
そうよ 私のママなんだから
A
ママの「マ」って 悪魔の「マ」だっけ?
W
さっきから何を書いてるんだ
A
オレ?
W
いや 月から来たモップに言ってるんだ
A
あそうかい 言ってくれるね 意気地なしの地球人がさ
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