Oh, Tanner-baum


【アルフ第12話】
高くついたブランド物
   
CHARACTERS
アルフ(A)
ウィリー(W)
ケイト(K)
リン(L)
ブライアン(B)
朝の寝室 ケイトがラジオを聞きながらクリスマスカードを整理している。ウィリーは まだ寝ている。
W
(起きてラジオを止める)
K
おはよう
W
うーん
K
あなた、ダグおじさんのカードよ
W
ダグおじさんなら二年前に死んだぞ
K
わかってる
W K
(二人はキスする)
K
昔のクリスマスカード見てたの ねえ あなたちょっと見てよ ほら 結婚して 最初にもらったカードよ
W
あぁ 私のライバルからだ ガス会社にいる 
K
初めてのクリスマス素敵だったわ 二人で遅くまでベッドにいておしゃべりして
W
朝起きると寒かった ガス会社にいたあいつが ガスを止めたんだ
K
でもあの頃は平気だった なんにもなかったから
A
メリークリスマス!(部屋に入ってくる)
W
まただ 嫌な予感がする
ここまではTakaさんに書き下ろしていただきました。Takaさんありがとう!
A
きょうはクリスマスイブだからさぁ タマゴ隠してきたよ
W
アルフ それはイースターでやるの いまはクリスマス

ああそうか
A
ああそうか クリスマスにはカボチャくり抜くんだったなぁ
K
あなた アルフによく説明してやってちょうだい あたし朝食つくってくるわ
A
それならもうすんだよ オレがつくってやった 目玉焼きとタマゴ焼き
K
隠したタマゴを見つけなくきゃ(部屋から出ていく)
W
なぜ朝食を つくってくれたんだ?
A
プレゼントのためよ
W
プレゼント?
A
サンタからの 知らない? 赤い服きたデブのおっさん そいつ オレたちの行動をぜんぶ見ててさ メモしとくんだって そいで普段の行いがワルかったら プレゼントもらえないんだろ?
W
だから手伝ってくれたのか?
A
イイ子でしょ? ああ そいからもう1つ手伝ってやったよ
W
へぇ
K
(リビングから声をあげる)あなた たいへん! クリスマスツリーが・・・
W
アルフ なにをしたんだ?
A
そいつは見てのお楽しみだね
ウィリーとアルフがリビングへ向かう
W
アルフ! なんでクリスマスツリーを薪にしちまったんだ(切り分けられて床に転がっているツリーを見る)
A
燃やすんでしょ?
W
ああ ああ・・・
A
(オモチャで遊んでみせる)
OPENING
リビング アルフ、リン、ブライアンがクリスマスの準備をしている

チルチルミチル
W
そいじゃさっき教えてもらったトナカイの名前言ってみるな ええっとまず プランサー ダンサー パンサー スペンサー マタイマルコ チルチルミチル
L
(笑う)ちがうわ プランサー ダンサー ピクセン ブリッツェン・・・
A
ミッキー ミニー ドナルドか
B
ドナルドはアヒルじゃないの
A
アヒルなら タマゴ産むぜ
L
オッケー 豆ランプできたわ あとはツリーだけね
K
(リビングにやってくる)パパがじきに新しいの買ってくるわ
L
時間かかってるわね
K
いちばん立派なツリーをあちこち回ってんのよ
A
雪が降る前にもってきてくれりゃいいけど
B
雪降るって言ってた?やったー
K
降るワケないでしょう
A
降るんだって クリスマスに雪はつきもんよ オレテレビで見たもん 白い雪が空から降ってきて 町全体をおおって みんなソリ遊びしたり雪だるま作ってる と コーラスガールの間からサンタが出てくる
K
アルフ カリフォルニアじゃ めったに雪は降らないの
A
そんなことないって この間見たクリスマス特番で 降ってたもん それもハリウッドでだよ
L
それはスタジオの中でしょ
A
なんだ おかしいと思った
K
アルフ たとえ雪が降ってなくたって クリスマスにはちがいないのよ
A
夢が壊れちゃったな じゃ食べモンの話をしよう
L
ママ タマゴまだあったわ
K
アルフ ぜんぶあつめたって言ってなかった?
A
それのほかはぜんぶよ

ほら ココにも
L
ほら ココにも
A
そういや鉢植えにも隠したな
ウィリーが大きな箱を持って帰ってくる
W
あ ただいま いやー遅くなってすまん
L
あ パパ その箱なに?
K
おかえりなさい
B
パパツリーは? ツリーはどこ?
W
ツリーは あー箱の・・・ いや すまんがちょっとまってくれ ・・・なぜタマゴを持ってるんだ?(リンを見て言う)
K
買ってこなかったの?
W
ああ いやぁ ・・・買ったよ その 買うには買ったが ちょっとその
A
ちょっと 記憶喪失になっちまったの? アンタの名前は?
W
いまからワケを説明するから聞いてくれ つまり町中探したがどこにもないんだ 売り切れでね 町外れのハヒーとかいう男がやってる店に たった1本残ってたきりだった
A
そいで どこにあんの?
W
彼は客相手にツリーを競りにかけ 100ドルになったんでわたしはあきらめたんだ あまり高すぎる
L
じゃあツリーはないのね
W
いやあるとも 買ったんだ ほーらそこにあるじゃないか ちゃーんとね ココにね 
A
箱のうしろに?
W
中に入ってんの
B
ニセモンの木か
W
そんなことはない 本物そっくりなんだ だいじょうぶ
A
そいつを水の中に入れるんだ
W
いや 組み立てるんだよ 部品を
K
それじゃ みんなで楽しく組み立てましょ
W
雪をつくるスプレーもいっしょについてるんだぞ
A
なんでもっと買わないの? ニセモンの雪だるまできるじゃないの
B
この125ってどういう意味?(ツリーの箱を見る)
L
これは125ドルでしょ ツリーの値段よ
A
じゃあハヒーの店で競りに出したホンモノより 高いんじゃん
W
そうだが この方が割安だ

算数ダメなのね





A
算数ダメなのね
W
いまは高いと思っても よく考えれば買い得なんだよ 25年は使えるんだ いいか 1年5ドルですむと考えれたら このぐらい安いモンじゃないか
A
あんたね 25年もこのニセモンのツリー飾るつもり?
W
ニセモノといったって 立派なもんだぞ まぁ見てろ
L
そうね つくりものでもいいじゃない
K
ホンモノかどうかなんて関係ないわ ツリーはただの象徴だもの ねぇブライアン?
B
象徴ってなに?
L
ニセモンのツリー
A
オレはヤダ ちゃんとしたツリーほしいよ
W
きみには聞いてないの
A
すぐ宇宙人をジャマにするんだから 最初は雪のスプレー出してきてさ こんどはニセモンのツリーなんて オレヤダ なんのために地球にきたのよ
W
そもそも きみがツリーを薪にしなければ こんなことにはならなかったんだぞ
A
やっぱそこへいくんだ
歌声が聞こえてくる
B
ほら 誰か外で歌ってるよ
W
ああ
A
オレ 追っ払ってやろうか?
W
ちがう ちがうよ あれは聖歌隊だ
A
お菓子つくってんの?
B
見て ケビンがいるよ(外を見る)
K
ホント
B
あ メリッサもいる
W K L B
ハーイ(窓越しに聖歌隊に声をかける)
B
ボクもいっしょに行っていい?
K
いいわよ いってらっしゃい
L
みんなでどう?
K
そうね あなたいきましょ
W
そうだな みんなで ・・・でもわたしはちょっと残って 早いとこツリーを完成させたいんだ あとで行くから ガソリンスタンドで待っててくれ
K
いいじゃないの そんなニセモノのツリーどうでも
W
なにを言う これは立派なツリーだ いまに見てろ みんながいない間に完成させてやる 飾りつけはきみたちでやればいいさ
K
じゃあ 先に行ってるわ
W
そうしなさい
L
いってきます
A
ブライアンを外に出しちゃっていいの?
W
ああ もちろんだ
A
でもよくないんじゃない? 子供を聖歌隊のあとについていかせんのは
W
どうしてだ
A
だって 虫歯になっちゃうよ
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